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近くて甘い

第60章 卒業と、それから…

会場のみんなが周りと顔を見合わせて笑っている中、私は、流れそうになった涙を堪えていた。



隼人のために…



そう思って、辛いときも必死で生きてきた。


この子を支えなくちゃ…そんな使命を背負った気でいたけれど…




だけれども…



───────お姉ちゃんっ!




いつも見せてくれる笑顔に、支えられていたのは、私の方だった。



私の事が大好きで、甘えん坊で、やんちゃで…




そんな隼人が、光瑠さんに言った言葉が立派すぎて…



そして嬉しくて、私は息が詰まりそうになった。




そんな私の脇で、光瑠さんは、口角を上げて、笑う。





「……当たり前だ…

真希の事も…


お前の事も…


必ず幸せにする。



家族だからな──…」




そう言って、隼人の頭をガシガシと撫でると、隼人もケラケラと笑った。




「なら…チュウしていいよ!」



「ほぉ…」




片眉を上げた、光瑠さんは再び私のことを見つめる。



「わっ…」




急に腰を掴まれて、小さく声を上げると、光瑠さんは、ニヤリと笑った。





「じゃあ…遠慮なく…──」



「えっ…んっ…」



突然大袈裟に塞がれた唇…



しばらく驚いて目を開いていた私は、ゆっくりと目を瞑ると、そのまま、光瑠さんの腕を掴んでキスに応えていた。


拍手の音が私たちの身体を包む──…




出会えて…



そしてこうして愛し合えて良かった──…




周りの人たちの歓声に包まれながら、私と光瑠さんは永遠の愛を誓った。






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