テキストサイズ

近くて甘い

第61章 近くて甘い



「愛花が、か…」


ゆったりとした声で光瑠さんが言った。


すごい…。



愛花ちゃんは高校を卒業してからメイクの勉強をするために専門学校に行った。


それから、日本では割と有名な人のメイクを担当したりと、売れっ子生活をしていたけど、もっと学びたいからと言って、数年前、渡米した。


愛花ちゃんを送り出す時、浩平くんがすごい名残惜しそうだったのがつい昨日のことのようだ…。


遠距離でも、きっとあの二人だったらうまくいってるだろうな…。


今度一旦こっちに帰ってくるって言ってたから話を楽しみにしてたけど、まさかあっちでも成功してるなんて、本当に愛花ちゃんはすごい…。




「私もまたメイクしてくれるかな…?」


「望ちゃんはメイクなんかする必要ないんじゃないかな…?」



要さんの優しい言葉に望はポッと顔を紅らめた。




「でも…キレイになれるんだったらやっぱりしたいなぁ…」



「ん…?望ちゃん…もしかして、好きな人でも出来たの?」




要さんの問い掛けに、誰でもなく光瑠さんが大きく反応して目を見開いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ