テキストサイズ

近くて甘い

第6章 今日のお茶汲みは

光瑠はそんな要の言葉を聞いて、呆れたような顔をする。


「ほっ、本当ですかっ…!」


完全に目がハートになった加奈子を見て、光瑠はまた要ファンが増えた瞬間を見た。


「あっ、あぁ。」


汗を拭う要は苦さで痺れる舌を堪えながら、加奈子を傷付けまいと懸命に笑顔を作っていた。


「あっ!そうだ!!」


突然叫び出した加奈子をまだなにかあるのかと二人がビクリとする。


加奈子はそんな二人に気付くことなく用意していたレーズンパイを一つずつ光瑠と要に渡した。


「これ、私の大好物で実家から母が送ってきてくれたんですけど、もうほんっっと美味しくて、生きてて良かったー!って私毎回思っちゃうんですけどっ!それで──」


「分かった!!分かったからこれはなんだ!!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ