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近くて甘い

第6章 今日のお茶汲みは

ペラペラと夢中になりながら話していた加奈子を光瑠が遮ると、加奈子はハッとしてすみませんと頭を下げた。


「あっと…レーズンパイです!」


「レーズンっ!?!?!?」


にこっと笑う加奈子に光瑠は顔を青くする。


「っ…干していようとなんだろうと俺は絶対にあの忌々しい粒──」


「ありがとう!後でいただくよ。」


要は光瑠を遮るように光瑠の前に立ってそう言った。


加奈子はパァッと顔を輝かせると失礼しましたっ!と元気よく言って、少し転びそうになりながら、社長室を後にした。

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