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近くて甘い

第6章 今日のお茶汲みは

パタンと扉が閉まってから、要は再び椅子に座り直した。



「………とんでもないやつが入ってきたな…」



ポツリと光瑠が呟きながら、要を見ると要はハハハと呑気に笑っていた。



「人事部に釘を指す必要がありそうだ…」


「何故ですか?ああいう娘(こ)がいた方がおもしろいじゃないですか…」



光瑠は要の言葉に目を見開いた。



「お前っ…この会社を潰す気かっ…」


「また大袈裟な…」



要はそう言いながら、デスクに置かれた湯呑みをみた。



「しかしまぁ……中々苦くてびっくりしました」



要は舌を出して顔を軽く歪めながら、レーズンパイの袋を開ける。


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