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近くて甘い

第7章 水平リーべ

猫が怖くてさっきまでびくびくしていたくせにっ!!



「冗談だ、そう怒るな」


「っ…」


「何もいらない…お前と過ごせるならそれでいい…」



そう言いながら微笑む光瑠さん。


ドキンっと胸が鳴った。




「───それに、そんなことに関係なく俺はお前を抱く」


「っ…んもぉっ!」



恥ずかしくなって顔をそらすと、光瑠さんは再び笑って私の頭を撫で、顔を覗き込んできた。



「明日も仕事だが、昼なら空いてる。お前は休みだろ?社長室に勉強道具をもって来い」


「本当ですかっ?」



助かる…けど…



あぁと返事をする光瑠さんを見つめる。



「会社でそんなことして…大丈夫ですか?」



昼休みとはいえ私なんかが会社に行って邪魔じゃないだろうか…



「お前はあの会社のトップの名を知らないようだな…」


「え…?」



腕を組んで、光瑠さんはニヤリと笑った。



「特別に教えてやろう…」


「────…」


「有川 光瑠、この俺だ。つまり、俺に文句のいう奴は誰もいない…」



相変わらず偉そうだけど…、こればかりは本当に光瑠さんは偉い訳で…
ちょっと頼もしく感じた。



「ありがとうございますっ!」



こうして…
私と光瑠先生の一対一の授業が幕を開けた。

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