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近くて甘い

第8章 ふぉーりんらぶっ!

もぉっ…
本当恥ずかしい…っ


レストルームへの道のり、なるべく人に見られないよううつ向いて歩いていた。


自分のドジに涙が出てくる。本当、大企業である有川商事に入社出来たのが奇跡のような気がしてならない…



「はぁ…」



先日出会って恋に落ちた彼とももう会えないかもしれないと思うと、さらに悲しくなって、加奈子は大きくため息をついた。



その時…



「きゃあっっ」


「おっとっ」



うつ向いて歩いていたせいで派手に人にぶつかった。


またやっちゃった…



加奈子は顔を歪ませ、申し訳ありませんっと言いながら、ぶつかった相手を見上げた。

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