テキストサイズ

近くて甘い

第8章 ふぉーりんらぶっ!

パタンと医務室の扉を閉めると、恥ずかしいっっ!と大きな声が聞こえて来て、要は声を殺して笑った。



そして、颯爽と歩きながら、ぼんやりと考え事をする。



医務室の女性が彼女のスカートのサイズを調べてくれ、新しいものを用意させたが…



さすがにそこまでしたら、この会社の人間だと言うことは分かってしまっただろうな…



少し、自分の悪戯に抜け目があったような気がして軽く後悔する。



だが──


自分が副社長だと知ったら一体彼女はどんな顔をするだろうか…



目を丸くして奇声を発する彼女が頭に浮かんで、要はくくっと喉を鳴らして笑った。



「あぁっ!関根さんっ!こんなところにいたんですね…!!」



一人で笑っていると、突然酒田が慌てて声を掛けて要は振り返った。

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