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近くて甘い

第8章 ふぉーりんらぶっ!

かなめ…?
苗字…かな?



「あの──」


「あぁっ!そう言えば…!」



加奈子の言葉を要は遮って声を上げた。



…?



首を傾げる加奈子を再び要は微笑みながら見た。



「この前のレーズンパイとても美味しかったよ。
ありがとう。」



輝く笑顔にキュウと胸が締まる。



「……良かったです…」



はぁっ
どうしようっ
またクラクラするよ…っ



「あとね…」


「…?はい。」


「スカートが汚れていたから、新しいのを用意させて置いといたよ。まぁ…そのままでも、中々モダンで僕はいいと思うけどね。」



ハッとして加奈子は改めて自分の汚れたスカートを見てカァッと顔を紅くさせた。



要は再びハハハと笑うと、じゃあまた、と片手を上げて医務室から去っていった。


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