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近くて甘い

第9章 青春の風が吹く

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放課後、私は教室で梨子と一緒に、愛花ちゃんのことを待っていた。


「なんか…愛花ちゃんって超勉強熱心だよね…」


「本当に…」



初めて高校というものに通っている愛花ちゃんは、私よりさらにまた一年多くブランクがある訳なのに。



何故か…
勉強が出来る──



「この高校に転入してきたのは嬉しいけどさ、絶対もっといいとこ入れたんじゃないかなぁ」



お菓子をポリポリ食べながら、梨子がいう言葉に、そうだねぇ…と苦笑いを返す。


編入試験勉強も一緒にしたけど、愛花ちゃんは、その時から私よりもよく勉強が出来てた。



なんでも、中学を卒業したと同時に孤児院から出て有川邸で働いている愛花ちゃんは、


メイドの仕事の合間に独学で勉強をしていたらしい…


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