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近くて甘い

第9章 青春の風が吹く

「あぁっと…その様子だと…聞くまでもない結果って感じ?」


「うっせぇなぁ…」



へらへらした亮に浩平はイラつきながら覇気なく答える。



“ゴールデンウィーク、どっか行かない?”



それだけのフレーズが今の浩平には言えないのだ。


グズグズしていたらいけないのは分かっている。


だが、その誘いの言葉はどう考えても、告白しているのと同義なわけで…



「あぁぁ~このままじゃマジでまっきー売り切れるなぁ。まぁそうなったら心優しい亮様が何か奢ってやるよ!元気出せっ!」



浩平はキッと強く亮を睨み付けたあと、無視をして自席に戻った。



まだ…ゴールデンウィークまで2日あるし…それまでには…


いやっ…本当に誘えんのか、俺っ…



机の突っ伏して負のオーラを漂わせる浩平のことを周りの人間は気味悪そうに見ていた。

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