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近くて甘い

第10章 プリンスはMr.…

今日のお茶汲みの権利を手に入れたのは、

加奈子・藍と同期の香純であった。


まさに
ボン!キュッ!ボン!なそのパーフェクトボディに、自信に満ち溢れた華やかな表情。


彼女の電話は今日もひっきりなしに男からのLINEの音が鳴る。


そんな香純の背中を見ながら、加奈子は放心状態で、デスクに座っていた。


それはもう1週間ほど続いている。


1週間…


ケッチャップまみれになった加奈子を助けてくれた彼が“かなめ”とだけ言い残して、去っていったのが1週間前の出来事…。


ミステリアスで魅惑の王子様。


完全に心を奪われた加奈子が、夢見心地に医務室から戻った時、オフィスで待っていたのは


女性社員の殺気だった視線と、藍と香純の尋問だった。

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