テキストサイズ

近くて甘い

第10章 プリンスはMr.…

『ちょっと!加奈子っどういうことか話しなさいよ!!!』



詰め寄った香純に圧倒されながらも、加奈子はヘラヘラと口許を緩ませた。



『──私、完全に恋に落ちたわ……』


『はぁっ!?ちょっと加奈子!?』



へにゃへにゃになる加奈子の肩を藍が掴んで激しく揺らす。



『また王子に会えるなんて…もうこれは…運命よね…』


『加奈子…まさかっ……あんたが言ってた王子って…』


『しかもね!今日は収穫があるのっ!!名前を少し教えてもらったの!きっと苗字なんだけど“かなめ”ってっ…。あぁもう本当にかっこよかったんだからっ…』



乙女モードバリバリの加奈子にイライラを募らせた香純は、パチンッと軽快な音を立てて加奈子に張り手を食らわせた。


『ちょっ…香純いきなり何すんのよ!』

ストーリーメニュー

TOPTOPへ