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近くて甘い

第11章 愛の鎖

━━━━━━━…

ふぅと息を吐き、光瑠はネクタイを緩めながら、腕時計を見た。


0時になろうとしている。


今日も寝顔か…


ドアノブを掴む力が優しくなる。


音を立てぬようゆっくりと開けると差し込んできた光に光瑠は、ん?と眉をしかめた。


「………代入…かな…」


ボソボソ話す真希の声がする。


部屋の中に入ると真希が机に向かって勉強していた。


こんな時間まで…



かなり集中しているようで、光瑠には気付いていない。


光瑠は背後から足音を立てぬようゆっくりと近付いていった。


まだ気付かないか…



ニヤリと笑った光瑠はうーんと唸る真希の両脇を掴んで持ち上げた。

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