テキストサイズ

近くて甘い

第11章 愛の鎖

━━━━━━━━━…


「妬かせたくないなら…っ、俺だけを見てろっ…!!」


苦しそうに顔を歪めた光瑠さんは律動を続けながら、私の身体をグッと強く抱き締めた。


触れた肌は燃えるように熱い…


「…ひかるさんっ…あっあっ」

「…頼むっ…頼むからっ…」

「はぁんっ……ぁっ…!」


耳元で突然弱くなった光瑠さんの呟きを聞く。



「頼むからっ……

よそ見をするな…っ

お前は

俺だけを気にしてればそれでいいっ…!」



トクンと身体の血が巡った。

よそ見なんかしてないのに…

どうしてそんなに不安そうなんだろう…


でも、そんな光瑠さんが愛しい───



「光瑠さんっ…すきっ…」

「つ……っ…ごまかすなっ…」



息が出来ないほど…
強く愛されてるのが伝わってくる…


光瑠さんの不器用で強い愛の鎖が、私を巻き付ける。


それは異常なほどきついのに…

痛くはなくて…


何故か…

心地よくて、くせになりそうだ───


前は"愛してる"って言葉が欲しくて堪らなかったのに、


今はそんな言葉がなくても、私は充分満ち足りてた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ