近くて甘い
第12章 お願いの仕方 ~真希~
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苦手な上目遣いに加え、優しく微笑まれた光瑠の心はもう半分落ちかけている。
猫のときと同様、頭の中では『このままじゃ言いくるめられるぞ』と激しく警報が鳴っているのだが、身体がどうも言うことを聞かない。
その瞳に騙されると思うなと言い放ちながら、今まさに騙されようとしているのである。
もちろん───真希に騙すつもりはない。
それがまた厄介だ。
「最近光瑠さん朝早いし、夜は遅いじゃないですか…」
「っ…あぁっ…」
落ち着け…
大丈夫だ、やられるな…っ
「こんなこと言ったら、困らせちゃうの分かってますけど…、私、やっぱり寂しくて…」
ギュッと抱き着かれて再び頭の中では警報。
そして身体はその反対に強く真希を抱き締め返す。
「……それは、悪いと思ってる…っ」
「いえ、いいんです。仕方ないことですから…。
でも、だから、梨子と一緒にいればゴールデンウィークもその寂しさがちょっとは紛れるかなぁって…」
「………んん」
苦手な上目遣いに加え、優しく微笑まれた光瑠の心はもう半分落ちかけている。
猫のときと同様、頭の中では『このままじゃ言いくるめられるぞ』と激しく警報が鳴っているのだが、身体がどうも言うことを聞かない。
その瞳に騙されると思うなと言い放ちながら、今まさに騙されようとしているのである。
もちろん───真希に騙すつもりはない。
それがまた厄介だ。
「最近光瑠さん朝早いし、夜は遅いじゃないですか…」
「っ…あぁっ…」
落ち着け…
大丈夫だ、やられるな…っ
「こんなこと言ったら、困らせちゃうの分かってますけど…、私、やっぱり寂しくて…」
ギュッと抱き着かれて再び頭の中では警報。
そして身体はその反対に強く真希を抱き締め返す。
「……それは、悪いと思ってる…っ」
「いえ、いいんです。仕方ないことですから…。
でも、だから、梨子と一緒にいればゴールデンウィークもその寂しさがちょっとは紛れるかなぁって…」
「………んん」