テキストサイズ

近くて甘い

第12章 お願いの仕方 ~真希~

身体を離した真希が再び光瑠をジッと見つめる。


「だから…許してくれませんかっ…?」


っ……


いやっ…待て…


「手伝いって…何をするんだ…」


ぱぁっと顔を明るくした真希の顔を見て、光瑠は慌てた。


「おいっ…別にまだ許してないからなっ!何をするか聞いているだけだ!」


“ まだ ”

と言った時点で光瑠の敗北が目前なのは明らかな事だ。


だが、そんな些細な表現に気付かない真希は少ししょんぼりしながら、光瑠を見た。


「ウェイトレスみたいな…簡単な仕事みたいです」


「あぁ!?ウェイトレスっ…!?!?客が男だったらどうするんだっ!!」


必死な光瑠に真希が呆れた顔をした。


「どうするって…普通に…」


「普通になんだっ!笑顔振り撒いてたぶらかすのかっ!隙だらけのお前は絶対に男に身体を触られ──」


「なっ…何言ってるんですかっ!普通のお店です!
注文きいて、お料理運ぶだけなのに触られたりするわけないでしょっ!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ