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近くて甘い

第13章 ヘタレの称号と神の恵み

ついに、明日から長いゴールデンウィークが始まろうとしていた。


浩平が何度も椅子に座ったり立ったりしているのは、もちろんその事に関係している。


さっ…



誘えねぇええ~~~っ!!



ガシガシと頭を激しく掻いた浩平に奇異の眼差しが向けられる。


恋する男子学生、苦悶中である。


時は残酷に過ぎ去っていく。


落ち着け…

サッカーでもイメトレが大事なんだから、藤木を誘うのもイメトレすればいいんだ…。



すぅっと息を吸った浩平は集中モードに入ると静かに机に突っ伏して、イメージトレーニングに専念した。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


『あっと…藤木、ちょっとい?』


『吉岡くんっ、どうかした?』


『あのさ……、もしよかったらゴールデンウィーク、どっか行かね?』


『えぇー!いいねっ!素敵!』


『おっ、おう、じゃあ決まりでい?』


『うんっ、すっごい楽しみっ!で…………どこにいくの…?』



◇◇◇◇◇◇◇◇



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