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近くて甘い

第17章 社長夫人は高校生っ!


「光瑠さんっ!誤解ですっ!吉岡くんがここにいるのは──」



ひかる?

聞き覚えが…



「ガキの分際で人の女に手を出すとはいい度胸だな、あ?」


「はい?」


女に手を出す!? ってどういうことだよっ!


訳が分からずただただされるがままの浩平をみて、脇で酒田が狼狽えていた。


訳が分からないのは酒田も一緒だ。


社長、副社長ともに突然会議をすっぽかし、休暇だと言われ、そのままこの八ヶ岳へ連行された。


何となく予想をしていたが、やはり着いてみればそこに真希の姿がある。


そして、今、自分の上司はまだ高校生である子どもに本気で嫉妬して迫っているのだから、もうどうしていいかさっぱりだ────



「関根さんっ!社長を止めて下さいよっ!」


必死で泣きついてきた酒田を見て、要はため息をついた。



「僕はちゃんと彼に忠告したんだけどね…」



そうつぶやきながら、要は再び止めに二人の間に入ろうとした。

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