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近くて甘い

第18章 片想いの星

藤木の初恋の相手…

その意味がイマイチよく分からないでいる───


要は、浩平の腕を離しながら、真希と光瑠の方を見た。



互いに求め合うその眼差し…

今にも重なりそうな唇…


痛いほど、愛し合っているのが伝わってくる───



「僕なんか、あんなのばかり毎回見せ付けられている…」


「………っ…」


「君は、普段は学校でしか真希さんと会わないんだから、そんな心配ないだろう…?」


「あんたも…藤木のこと…」


「愛しているよ…心から…」



“愛している”

その少し大人びた表現に、トクンと浩平の心臓が鳴った。


まさか、こんなに完璧な男までもが、自分と同じように片想いで苦しんでいるなんて、思っても見なかった…



「まぁ…もう、彼女に“愛している”と言うのはやめたけどね…」


えっ?それは…


髪をかきあげた要は、再び笑って、浩平を見た。



「とにかく、君は若いから大丈夫だ。きっと君の事を好きだと言ってくれる素晴らしい子が現れるよ」


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