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近くて甘い

第19章 休暇は甘く…

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何の気なしに目を覚ました光瑠は、はぁ…と欠伸をして瞬きをした。


ブランケット…?


掛けた覚えのないブランケットを目にして、ん?と声を出した光瑠は、腕に感じる微かな重みを不思議に思って横を見た。



スーっと静かな寝息を立てて、眠る真希…


知らぬ間に隣にいたことに、軽く微笑んだ光瑠は、真希の顔を覗き込んだ。



安心して身を預けられていることに、堪らなく胸が弾む。


人差し指で、軽く真希の頬をなぞった光瑠は、ふっと笑って額にキスを落とした。



身体を抱えてベッドまで運んだら起こしてしまうだろうか…



色々考えていると、真希が小さく寝返りを打って、薄く目を開いた。



「真希…」


「……は…い」



寝ぼけた様子の彼女が愛しくて、光瑠は背凭れに頬杖を付きながら微笑んだ。



「ベッドに運んでやるから、掴まれ」


「……うぅぅん…」


「おっ…」


ぎゅぅぅっと甘えるように腕を掴まれた光瑠は、よろけながら、もう片方の手で、真希の背中を支えた。



「…出来れば首に掴まってくれると運びやすいんだが…」


「あっ…」


顔を上げた真希は我に返ったようにして、腕を離した。


それを名残惜しく思いながら、光瑠は首を傾げた。



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