近くて甘い
第19章 休暇は甘く…
上目遣いの光瑠さんは、やっぱりかっこよくて、ずっと見ていたくなっちゃうくらいだ。
「いつも、こんな世界が見えてるなんて、羨ましいです…」
「そうか?」
フッと笑った光瑠さんに顔を近付けたら、光瑠さんの視線が私の唇に注がれた。
「何だか、主導権を握った気分です…」
「……それは、気分だけだな」
え?
気付いたら、自分からキスしようとしていたのに、光瑠さんにまた唇を塞がれている。
さっきまでとは違う、
まったりとしたキス…
主導権を握った気でいたのに、
やっぱりそれは、“気”だけで…
絡まる舌に、熱く息を吐きながら、心臓を落ち着かせるのに精一杯だ。
恥ずかしいのに、身体が疼いて、声が洩れてしまう──…