近くて甘い
第19章 休暇は甘く…
唇が、離れて、お互い息を荒くしながら、顔を見合わせた。
目が潤んで、もう溶けてしまいそうな私とは裏腹、まだ余裕がありそうな光瑠さんは、優しく笑って、私の頬に口づけて、そのまま耳元に唇を滑らせた。
「真希…」
名前を囁かれているだけなのに、どうしようもなく身体があわ立って、思わず、光瑠さんに強く抱き着いた。
「部屋に戻るか──」
「ぁっ…」
耳殻を這った熱い唇…
外の空気のせいで、余計にその熱を感じる。
「どうした…」
「んっ…」
「熱でもあるのか…?」
意地悪だ…
光瑠さんのせいでこうなってるのにっ…
悔しくなった私は、その質問に答えないまま、光瑠さんの真似をするように、たどたどしく、光瑠さんの耳殻に舌を這わせた。