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近くて甘い

第21章 チョコレートは魅惑の味…

そして…

藤木真希は…大のチョコレート好き…


怪しく微笑みながらコンコンとノックをすると、中から、何も知らない無垢な返事が返ってきた。



「失礼します…」


「っ…?? あのっ…えっと…?」



副社長が来ると思ったのか、驚いた顔を見せた真希は、会議室の椅子に座りながら、首を傾げた。



「これ…社長からの差し入れです…」


「えっ…?光瑠さんから?」



ニコッと笑って、香純は、真希の前に、4つほど、チョコレートの入った箱を差し出した。



「あんなに反対してたのに…」


「勉強には、甘いものが必要だからって…そう仰ってました」


香純がそういうと、真希は不思議に思いながらもほんのりと顔を紅らめた。


ふふっ…本当に…めでたい女…



「…わざわざありがとうございます……」


何も知らずにニコリと微笑んだ真希に、会釈をして、香純は会議室を後にした。



多分これで藤木真希はあのチョコレートを食べるだろう…


「ふふ… あとは、副社長に頑張ってもらえばOKっ」


ルンルンで、廊下を歩く香純は、久々に上機嫌であった────


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