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近くて甘い

第21章 チョコレートは魅惑の味…

痛む胸と、まだ興奮している身体を振ら付かせながら、要は扉のノブに手を伸ばした。



「おいっ!真希っ!」


大きな音を立てて、光瑠が現れたのは、それと同時だった。



「社長…」


「関根お前っ…」



目くじらを立てる光瑠に、要は、小さく息を飲んだ。



「今、真希とお前が、この部屋でっ…」


「あぁ…体調が悪そうだったので、ソファーに運びましたが…」


「なにっ?」



目を見開いた、光瑠は、ソファーに目をやった。



「誰に何を聞いてそんなに血相をかえていらっしゃるんですか…?」


「いやっ…そのっ…」


後ろを振り返った光瑠は、下唇を噛む香純をチラとみて、俯いた。



「誤解だったようだ…」


「そうですか…」


「それより、真希の容態はっ?」



やけに苦しそうに息をする真希を遠目にみながら、光瑠は尋ねた。



「少し、熱があるみたいです…」


「そうか…」


「……あとの仕事は僕がやっておきますから…社長は今日はもう真希さんを連れてお帰り下さい」



はぁっと、苦しそうに息をついた要を見て、光瑠は眉をしかめた。



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