テキストサイズ

近くて甘い

第21章 チョコレートは魅惑の味…

「おいっ…いくら熱いからと言って───」


「お願いっ…抱いてっ…」


「っ…」



正気なのか…?
熱のせいでこうなっているのか?


こんな状態の真希と…関根はいたのか…?


たくさんの疑問はあるが、光瑠の身体は正直に反応している。


いつもこんなに大胆なことを言わない真希に理性が限界に近付く。



「真希っ…関根に何もされてないかっ…?」


はぁっと息を吐いた真希は、光瑠のジャケットを掴んで懇願するように見つめた。



「っ…おねがいっ…します…っ。
ひかるさんっ…触ってっ…」



「っ……真希ここは…」


「がまんできないんですっ…」



甘い誘いに、光瑠の心が揺れる…。


相手は真希で…

愛していて…

俺のもので…



この誘いを拒む理由は



「はぁっ…分かった…っ」


ない────




立ち上がった光瑠は、ジャケットを脱ぎながら、ドアの方へ向かって、鍵を閉めた。


こんなにも、愛しい人から求められて、止められる訳がない。


風邪なら風邪で、自分にうつしてしまえばいいっ…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ