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近くて甘い

第21章 チョコレートは魅惑の味…

「くっ…」


背もたれに、頭を乗せて、ぼんやりと霞む灯りを見つめた。



─────────ひかるさんっ…



さっきから、真希の呟きが頭が離れない。


身を引いたときから、これから辛い日々が続くことは分かっていたが、


あんな姿を見せられるとは思っていなかった…



日々、自制していた分、
一度溢れたこの気持ちを再び沈めることが出来ないでいる。



───────────抱いてっ…



「っ…………」


何故自分が求められていると思ってしまったのか…




後悔に後悔を重ねてもなお…


やはり彼女が愛しい想いは変わらない。


それがまた、要を苦しめ続ける。




「真希さんっ…」



愛している───



苦し紛れにそう呟きながら、要は、媚薬を盛られてとも知らずに懸命にその身体の熱を冷まそうとしていた──

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