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一晩中泣いたのだろうか、加奈子さんは目をブンブンに腫らしながら、俯いていた。



「そんなに落ち込まないで下さい…」


「だって…っ…やっぱり分かってたことでもショックで…」



またポロっと涙を流した加奈子さんの背中をさすって、私はハンカチを取り出した。



「ちゃんと、真相は確かめますから…」



これから、私は要さんに英語を教えてもらう約束があった。



そこで、昨日のSAKIとSALAの事を聞こうという作戦だ。



「そもそも二人から抱き着かれていたってだけで、付き合っているという事にはならないし…」


「私の予想では絶対SAKIが副社長の彼女だよっ…綺麗だし、大人っぽくて…とてもっ…副社長とお似合いっ…うっ…ううっ…」



「もう…加奈子さんってば…」



あまりに弱気なので、こっちまで、落ち込んでしまいそうだ。


正直、昨日、光瑠さんと派手に喧嘩してから私も気持ちがどんよりだ。


寝室に戻ったら、光瑠さんはいないし…でもっ！あれは冷たい光瑠さんがいけないんだからっ！