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近くて甘い

第23章 薄情な作戦

私が叫ぶと、要さんは、目を見開いて、座ったまま私を見上げた。



「それはつまり…?」


「っ……あんな風に優しく微笑んだりされたら…女の子はみんな勘違いしますっ!そうやって要さんは加奈子さんを弄んでっ…」




脳裏で、加奈子さんの悲しそうな顔を浮かんだ…



こんなのはあんまりだ…
あんなに一生懸命、要さんのことを想っているのに──…



突然、要さんが、フッと声を漏らしたかと思うと、今度はお腹を抱えて笑い出した。


なにっ…



「何がそんなにおもしろいん──」


「真希さん…」



立ち上がった要さんは、笑うのをやめて私の手首を強引に掴んだ。


びっくりして、
そして要さんの眼差しが鋭すぎて…
身体が動かない…




「僕と田部さんをうまくいかせようと…あなたはそうしてるんですか?」


「っ…」


「よく…そんな残酷な事ができますね」



初めて、
要さんにこんな冷たく見つめられた…


怖くて…
どうしていいか分からなかった。


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