テキストサイズ

近くて甘い

第23章 薄情な作戦


何も言うことが出来なかった。


要さんのいう通り、この事態は私が招いたものだ…




「では…」



それだけ言って、去ろうとする要さんの背中をただ黙って見つめる。



ごめんなさい…



それすらも言ってはいけないような気がして…



「真希さん…」



ドアノブを掴みながら、要さんは、こちらに顔を向けずに話した。




「取り乱してすみません…


忘れて下さい──…」



「要さ──」




バタンっ…



広い会議室に取り残された私は、倒れ込むようにして、椅子に座り込んだ。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ