近くて甘い
第24章 横顔が好きだから…
「君の気持ちはとても嬉しいよ…本当に…」
優しく見つめられて、加奈子は涙を拭った。
「でも…僕は…」
「社長はっ…社長はご存知なのですかっ…?」
これは不倫なのだろうか…
それなら…
ハハっと控えめに笑った要は、ニッコリ笑って、加奈子を見た。
「少し長いけど、聞いてくれるか?」
「…何をですか…」
「色々あったんだよ…僕は半年前まで目が見えなかったしね…」
「えっ?」
目が見えなかったっ!?
驚く加奈子の傍で、要を遠くを見つめながら、過去にあったことをゆっくりと話していた。