近くて甘い
第28章 信頼の崩壊…
真希に恋に落ちて、失明しても追い掛け続けた要に、光瑠は負い目を感じていた。
真希が何故、要ではなく自分の元にいることを選んだのかが分からない。
婚約しているのにも関わらず、余裕も何もない…
真希がいつか、やはり関根の方が良いと思って自分の元から去って行ってしまうのではないだろうか…
そんな焦燥感を日々感じながら、強引で不器用に気持ちをぶつけることしか光瑠には出来ない。
「はぁ…」
部屋に鍵をかけながら、光瑠はドアに寄り掛かってため息をついた。
真希が関根といる事を望むなら止めることはしない…つもりだがっ…
天を仰ぎながら、光瑠はゆっくりと目を閉じた。