近くて甘い
第29章 Little sisters!
一体誰がどのように選出したのか…
要は呆れながらもその面識のある三人を思い浮かべていた。
西園寺代表も、西園寺社長も、確かに息を飲むほど整った顔だちだった…
有川社長は言わずもがな…だ。
「要も社長だったら、イケメン四大社長になってたね!」
「バカな事をいうな」
「そういう自分のかっこよさに気付いてないところ、大好きっ!」
沙羅がニコニコと笑いながら、また抱き着いてきたのを、要は受け止めながら、ハッと笑った。
「でもね、問題は性格だと思うの!有川社長って横暴ですごく怖い人だって聞いた事あるけど…」
「え〜!じゃあ絶対要の方がいいじゃん!」
横暴で怖い…
間違ってはないが…
「彼はすごい人間だよ…」
何もかも直感で感じたことを、すぐに行動に起こす…
「ひねくれているように見えるが、本当はそんなことはない。
ちょっと…いや、かなり素直じゃないが、それは恥ずかしがっているだけだ。本当は心優しくてみんなの事をよく考えてる…」
「「………」」
「何より、あの大胆さは、男として尊敬するよ…」
少し微笑んだ要のことを見たあと、沙紀と沙羅は顔を見合わせた。
「なんか…」
「ん?」
「要ってやっぱりゲイなんじゃない?」
……何故そうなったのか、
訳が分からぬまま、要は再び否定の言葉を返した。