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近くて甘い

第3章 淡い恋

『本当にそれだけなんだ。ごめんね。じゃあ』



そう言って去ろうとする真希。


ハッとした。


これじゃいけない。



『待って!』



我ながら、引き留めるなんて中々頑張ったと思う。



『…なに?』



振り返ったときに揺れた黒髪が、魅力的だとかそんなことを浩平は思った。



『……俺…ほら、点とか入れてないし…なんか、その…別にそんなすごいとかそういうんじゃ…』



何が言いたいのか…。


ただ、今までの彼女に、
“浩平もたまには点入れてよ”なんて典型的なサッカーを分かってない発言をよくされてたから、真希に言われる前に先に自分から言っちゃおうとか思ったのかもしれない。

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