近くて甘い
第30章 初恋の人
純粋に“大切”って言ってくれたのが嬉しかった。
半年もブランクがあって、不安だった高校生活を楽しく過ごせているのは、変わらずに接してくれる、吉岡くんのお蔭だと思うから…。
「藤木…」
「吉岡くんには、本当に感謝してる…」
「………」
「真希っ!」
「…なに?」
ニッコリと吉岡に笑いかけていたら、後ろから、梨子が私を呼んで、背中を叩いた。
「はいっ!あんたが元気ないから、これから女子会議!」
「え?」
梨子が指差した方をみたら、愛花ちゃんが席に座って、心配そうに私のことを見ていた。