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近くて甘い

第30章 初恋の人

しばらくして、私はこの数日に起こったことをゆっくりと愛花ちゃんと梨子に言い終えた。



2人は、ずっと黙ったまま相槌を打ってた。



批判されるんじゃないか…

そんなことを思いながらドキドキしていた私は、そんな2人の優しい対応に、胸が熱くなった。



どうにかしてこの状況を改善させたい…



うーん…と唸った2人の顔はとても真剣だった。




「その…要さんっていう人は…ずっと我慢してたんだろーね」



「っ……」



「だって、すごく一途に真希のこと思ってたわけだし、目の手術だって、真希のために命を掛けたんでしょ?」




「うん…」



言われながら、そのときのことを思い出した。


お父さんが出ていって、残ったのは借金と、病気を抱えたお母さんと8歳の隼人…。

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