近くて甘い
第30章 初恋の人
どれだけ働いても、いつもお金はなくて、不安で…
それでも強く生きていくしか道はなかった。
雨の日に突然現れた要さんは、本当に王子様に見えて…
私は、初めて恋と、言うものを知った───…
「要さんは…」
「大切なんでしょ?」
私の言葉に、梨子が続けた。
愛花ちゃんは、ずっと心配そうに私を、見つめながら、私の手を握っていた。
「うん…」
そう。
要さんと最終的に恋人の関係になることはなかったけれどそれでも、彼が初恋の相手であることに変わりはないし、梨子の言うとおり、今でも特別で大切な人だ。
「でも、それって少しズルいかもね」
「ズルいっ…??」
「うん、だって、真希は、ちゃんと要さんに断ったの?」
断ると言う言葉にまた胸がぎゅっと痛くなった。
返事をためらう私を、愛花ちゃんが見つめる。
それでも強く生きていくしか道はなかった。
雨の日に突然現れた要さんは、本当に王子様に見えて…
私は、初めて恋と、言うものを知った───…
「要さんは…」
「大切なんでしょ?」
私の言葉に、梨子が続けた。
愛花ちゃんは、ずっと心配そうに私を、見つめながら、私の手を握っていた。
「うん…」
そう。
要さんと最終的に恋人の関係になることはなかったけれどそれでも、彼が初恋の相手であることに変わりはないし、梨子の言うとおり、今でも特別で大切な人だ。
「でも、それって少しズルいかもね」
「ズルいっ…??」
「うん、だって、真希は、ちゃんと要さんに断ったの?」
断ると言う言葉にまた胸がぎゅっと痛くなった。
返事をためらう私を、愛花ちゃんが見つめる。