近くて甘い
第30章 初恋の人
そんな風に私がフラフラしているから、光瑠さんがいつまで経っても安心しないんだ…
みんなが傷付かないようにと思っていたはずなのに、結局みんなを傷付けている…
このままじゃいけないっ…
「分かった…。
私、ちゃんと要さんと話す…」
「……そうだね。それが一番だよ…」
優しく笑った梨子を見ながら、ぎゅぅっと胸が苦しくなった。
しっかり話そうと決めたら決めたで、頭の中を巡るのは、“もしも”という考えても不毛な言葉で…
「真希様…?大丈夫ですか…?」
「あっ…うん…大丈夫…」
私はそう愛花ちゃんに言葉を返しながら、無理矢理にっこりと笑った。