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近くて甘い

第32章 クッキーの教え

イングリッシュガーデンの白いベンチに腰を下ろしながら、要は周りの景色を見ていた。



とても、変な夢を見た…



過去の出来事を覆すようなそんな夢。




幸せな夢のはずだったのに、どこか空虚だった。



真希さんと過ごすことになっていたら、会社は潰れていたかもしれない…。



社長はその能力を、発揮することのないままだったかもしれない…。



そしてっ…




要は、風に揺れるその葉を見つめた。



空は青く澄み渡る。




もしかしたら、
この光景を二度と見ることはなかったかもしれない…



「っ……」



両手で要は顔を覆った。






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