近くて甘い
第33章 想いの暴走
「真希っ…」
切なく呟いた光瑠はベッドに身を乗り出して、真希に顔を近付けた。
暗闇の中に見える、ぷっくりとした小さな唇に光瑠はそっと触れる。
以前要と重ねたというその唇……。
避けられたのに避けなかったのは…
そうなる事を望んでいたからなのか…っ
「お前はっ…」
思わず洩れた言葉が震える。
「お前はっ…俺のものだと言ったはずだっ…」
堪えきれずにその唇を塞いだ光瑠は、ゆっくりと顔を上げて真希の事を見つめた。
収拾のつかない熱い想い…
深く息を吐いた真希は、寝返りを打って光瑠の方から身体を離した。
どうしたら、
要に勝てるのか…
そんな事で頭がいっぱいになって、光瑠は焦っていた。
俺を選べっ…
頼むから俺を…っ
身を乗り出した、光瑠は真希の手首を掴んで、その首筋に唇を落とした。