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近くて甘い

第34章 企てとすれ違い

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言えた…っ




ずっと色々なことを言い訳にして、言わないように回避してきたその言葉。



泣かないつもりだったのにっ…




流れてしまった涙をすかさず拭おうとしたら、その私の頰に要さんが触れた。




「っ…要さんっ…」




澄んだ瞳が私を捉えたまま、要さんは優しく人差し指で私の頬に流れる涙をなぞっていった。




「出会えて良かった──…」




「っ……」




「こんなに人を想えて幸せです…」





どこまでも彼は、優しい…




「苦しいですけど…でも…
僕にとって真希さんはとても大切な人で…

そして…」




すっと私から手を離した要さんは、何故か少しだけ呆れたように笑った。




「社長も…とても尊敬している大切な人なので。


そんな二人が結ばれるは


僕にとってとても…嬉しいことです…」





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