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近くて甘い

第34章 企てとすれ違い

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私の言葉を完全に無視して電話を切った光瑠さん。



無事な事すらも教えてくれなかったっ…



「真希さん…きっと大丈夫ですからっ…」



「どうしようっ…!どこか怪我でもしてたらっ…」



「真希さん…」




けたたましくなる心臓の音。


過度な心配と共に、無視された事で傷付いた心はもうバラバラに張り裂けてしまいそうだった。




「光瑠さんはっ…今どこのエレベーターにいるんですかっ…」



「えっと…この先の奥のっ───」




酒田さんの言葉を聞いて、私は一目散に走った。



せめて傍に行きたいっ…



お願いだから無事でいてほしい──…



光瑠さんっ…




私、あなたがパリに行ってしまう前にちゃんと伝えたいことがある───







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