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近くて甘い

第34章 企てとすれ違い

「真希さん…電気システムがダウンして、エレベーターは停止しただけですから、きっと社長は無事です…」



追い掛けてきた要さんが、私の腕を掴んで止めた。




「でもっ…傍にいたいんですっ…
私っ…昨日光瑠さんの事を傷付けてしまって…だからっ…」




言いたいことがまとまらないせいで、口から出てくる言葉は支離滅裂だった。



香純さんが傍にいると聞いてから気が気でないのもある。




あんなに綺麗な人と真っ暗なエレベーターの中で二人だなんてっ…。




今の私は光瑠さんの婚約者ではない…



そんな間に香純さんに光瑠さんを奪われてしまったらっ…




「嫌だっ…」




そんなの絶対に嫌っ…




もう訳が分からず動揺する私の肩を要さんが掴んだ。




「8階の辺りで止まっているらしいですから…そこまで行きましょう…」




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