近くて甘い
第34章 企てとすれ違い
「身体がっ…」
「きっと熱でもあるんですね…」
「っ……」
現れた引き締まった身体に香純は息を飲んだ。
欲しかった男は後少しで手に入る──
冷たい手を光瑠の上半身に滑らせると、光瑠は、身体を反らせながら、反応した。
どうしようもない欲に飲まれながら、光瑠は、目を潤ませていた。
再び現れた真希の幻影…
熱い身体同様の熱い想い…。
それは昨夜届かないまま拒まれたことへの反動──…
「きゃっ…」
急に強く抱き締められた香純は小さく悲鳴を上げた。
「愛してるっ…」
「っ……」
「関根のところへなんか行くなっ……」