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近くて甘い

第35章 交わらない想いと出発

それと共に、また苦しい想いが光瑠の胸に広がった。




「………真希さんも見てしまいましたから…早く、誤解を解くべきかと…」



「っ……」




今更何を言うのか…



誤解をされたところで、真希が要のところにいるのでは意味がない。






パリは明日から。



二週間も離れていれば、きっとその間に真希はうちから出て関根のところに行くのだろう…





光瑠が視線を下ろすと、要がため息をついて、椅子に座った。





「多分……ですが…櫻井は、以前、真希さんと僕に媚薬のようなものを盛ったのでしょう…」



「媚薬っ…!?」



「今回、同じものを社長にも盛ったのかと…」



驚く光瑠に加奈子がワナワナと震えた。

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