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近くて甘い

第35章 交わらない想いと出発

「真希はっ…真希はどこにいるっ…」



「多分社長宅かと…」






立ち上がった光瑠は勢いよく扉を開けて、会社から自宅へと駆け出した。






その光瑠の背中を要と加奈子が見送った。





「副社長っ…いいんですかっ…?」




慌てて立ち上がった加奈子の腕を要は掴んだ。





えっ…





ドキッと心臓がなる。




そして、椅子に座ったまま見上げて来たその爽やかな表情に息を飲んだ。






「今日……見事に振られたんだ…」




「っ……」




「辛いけれど…やっとはっきり伝えてもらえた…」




「副社長………」




「これで…ようやく前に進める気がするよ…」




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