近くて甘い
第36章 メイドの恋模様♪
────────愛してる…
あの時の光瑠さんと香純さんの光景が目に焼き付いて離れない。
自分は特別だと思っていた。
婚約を解消しようと言ったのは、ほんの弾みで、本当はそんなこと思っていないって…
まだ私のことを愛してくれてるって、そう思っていた…
「梨子っ…私っ…私っ…」
「しー…何も言わなくていいから落ち着いて…」
優しく頭を撫でてられて、また涙が出る。
朝、目が覚めて広いベッドを見つめることから始まって、何をするのでも彼の陰を追ってしまう。
息をするのさえも苦しくて仕方がない───