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「っ…ぅっ…」


加奈子さんが泣いていることに気付いた要さんは私を連れて、自分の部屋へと案内してくれた。




「────田部さん…」



「加奈子さん…」




「ごめんなさいっ…全然私が泣くべきじゃないのにっ…」




私はゆっくりと加奈子さんの身体を抱き締めてギュッと目を瞑った。




心ない言葉に何も為す術がなかった私と要さんのために、加奈子さんは同僚の顔を勢いよく叩いた。




暴力はよくない。



そう思ってはいるけれど、それでも、スカっとしたのは事実だ…




「加奈子さん…ありがとうございますっ…」



「違うのっ…どうしても許せなくてっ…あんな風に真希ちゃんと副社長は言われているのは耐えられなかったのっ…」




ぐしゃぐしゃに顔を崩した加奈子さんは私のことを見つめて頭を下げた。




「ごめんなさいっ…これも全部全部私が余計なことを言ったからなのにっ…本当にっ…本当に───」



「加奈子さん…もう大丈夫です…」