近くて甘い
第38章 花の都は恋の街
「うぇっ…ちょっ…」
同じように動揺する浩平は、まるでいやがっているような反応になってしまった事にハッとして、思わず愛花にブンブンと手を振った。
「いやっ…別に野口に採寸してもらうのが嫌だとかっ…そんなこと微塵も思ってねぇからなっ!むしろ嬉しいっていうかっ…」
ボっと顔を紅くした愛花をみて、浩平はまた慌てる。
「まっ…まてっ!言うまでもないと思うけど嬉しいとかいう言葉に特に特別な意味は込められてなくてっ…」
ああああああ〜〜!!!
また俺訳分かんないこと言ってる〜〜!!!
「ねぇ…あの二人…」
「時間の問題だな」
小声で会話した梨子と亮は顔を見合ってプッと小さく吹き出した。
恥ずかしがりながら、オロオロする二人の姿を見て、亮は安心したような表情をした。
良かった…
浩平も…前に進んでるんだな…