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近くて甘い

第38章 花の都は恋の街


有り得ないくらいの心拍数。




「胸板が厚くなったなら…胸囲計り直さなきゃだよね…」



「おっおうっ…頼むわ」




メジャーを持ってまるで抱き締めるかのような格好に、上手く顔が上げられない。




浩平くんってこんなに大きかったんだ…




「なんかっ…ごめん…」




浩平は謝りながら、愛花の頭頂部を見た。



微かに香る爽やかなシャンプーの香りに、高鳴る鼓動。




何だかやましい気持ちになった浩平は、懸命に気をそらそうとしていた。



だが──…



いつもとは違う愛花のメイド服姿にどうしても視線がいってしまう。




やっぱ思った通り…




「かわいいな…」




「えっ…?」





やべっ…!

思った事、思わず口に出しちまったっ!!!



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